top of page

尾呂志の春は、
田植えから始まる。

春

 水が温み、風伝峠から吹きおりる風がやさしくなる春。田んぼの作業は、尾呂志神社の春の大祭を合図に、種もみを水に浸すことから始まります。手植えの頃は、苗作り専用の「のじと(苗代田)」に種をまきましたが、現在は機械化に合わせて育苗箱にまくようになりました。
 時を同じくして、田んぼでは田植えの準備。共同で溝せぎ(水路の補修など)、田起こし、代かきと続きます。
 かつて田植えの日には、「むし(むしご飯)」とおかずをふきの葉にのせたものをお供えして、豊作を願いました。
 田植えは女性の仕事で、親戚や近隣で助けあう「手間返し(結い)」でおこなっていました。だいたい7〜8軒、多いところでは15〜16軒に助けに来てもらい、お礼に「かきまぜ」や餅、ぶどう酒をふるまいました。
 田植えが終わると、6月に「牛あげ(むしあげ)」をおこないました。農作業を支えてくれた牛に感謝し、夏を前に、ほっと一息つく農休日でした。

 祭り・行事

春の尾呂志神社例大祭

■尾呂志神社の春の大祭
 3月の第4日曜日におこなわれています。神殿に米や野菜、果物、魚、干物、餅、酒などをお供えして、氏子たちの安全や豊作を祈り、厄払いや厄よけの神事もおこなわれます。「餅ほり(餅まき)」は、地域の人々の春の楽しみの一つです。

 アッサム茶

春の尾呂志神社例大祭

 明治10年に国の役人がインドから紅茶用品種の茶の種を持ち帰り、全国に配布されました。そのうちのほとんどはなくなってしまいましたが、尾呂志の山田彦四郎が栽培していたものが今も残っています。地元では自家用の番茶として飲用される程度でしたが、この貴重な茶を保存しようと保存会が誕生し、紅茶づくりがおこなわれています。春は茶摘みの季節です。

春の食べもの

めはりすし

●めはりずし
 高菜ずしとも呼び、高菜漬で包んだにぎり飯のことをいいます。形が大きいため、「目を見張るように口を開けて食べる」ことや「目を見張るほど美味しい」ことから名付けられました。高菜は冬に漬け込み、春から食べ始めます。昔は山仕事へ行くときのお弁当でした。

春の食べもの

めはりすし

●おさすり
 サルトリイバラの葉で包んだ餅。節句など、季節の食べ物です。白とヨモギの入った緑色の餅があります。



 

春の農作業
bottom of page